【実験あり】アサガオの色が変わる理由は?色を変える方法はあるのか?

夏の代表的な植物であるアサガオですが、紫・ピンクなど様々な色があります。

アサガオを育てたり・見かけたりした際に、

 

  • アサガオの色はどうやって決まるのか?
  • 朝と夕方で色が違うのはなぜか?
  • アサガオの色は変えることができるのか?

などの疑問を持ったことはありませんか?

 

今回は、アサガオの色について紹介していきます。

 

【前提】アサガオの花にはどのような色がある?

 

気軽に見ることができるアサガオの色としては、ピンク・白などがあります。

アサガオの原種は濃いめの青色をしており、元々は南米が原産の花です。

 

また、突然変異が起こりやすい花とも言われており、

現在では色以外でも「形」「模様」にもバリエーションが見られます。

 

小学校では教材として用いられることも多く、

形・色ともに馴染みのある人が多い花なのではないでしょうか?

 

アサガオの花の色が変わる理由

 

では、アサガオの色はどのように決まるのでしょうか?

実は、アサガオの色の変化にはある成分が関係しています。

 

アントシアニンによってアサガオの色が決まる

 

アサガオの色を決めているのが「アントシアニン」という成分です。

名前くらいであれば聞いたことがあるという方も多いのではないでしょうか?

 

アントシアニンは様々な植物に入っている成分で、

イチゴ・ブルーベリー・さつまいも・さくらんぼなど、身近な食物にも入っています。

アントシアニンは微妙な構造の違いによって様々な色に発色し、

アサガオの青色やピンク色はもちろん、ブルーベリーのような濃い紫やイチゴのように真っ赤な色まで色は様々です。

 

アサガオにもアントシアニンが含まれており、

その影響で青・ピンクを中心とした様々な色へ変化します。

 

酸性で赤くなり、アルカリ性で青くなる

 

アントシアニンは、酸性に偏ると赤くなり、

アルカリ性に偏ると青くなる傾向があります。

 

アサガオにおいては、表皮細胞の液胞(えきほう)と呼ばれるところにアントシアニンが含まれており、

液胞のpHが変わることでアサガオの色も変化します。

 

実際には、pH6~8程度で推移することが多く、

この変化によって青やピンクなどに発色が移り変わるのです。

 

アサガオの色を変える方法

 

では、pHの値を変化させれば意図的にアサガオの色を変えることはできるのでしょうか?

結論からお伝えすると「できません」。

 

お気に入りのアサガオを作りたいと思っている方には残念なお知らせかもしれませんが、

安全かつアサガオにダメージを与えずに色を変えるのは難しいとされています。

 

また、pH以外にFe(鉄)の配合量などによってもアサガオの色は変わるため、

やはりアサガオの色をコントロールするのは現実的ではないのです。

 

土壌を変えるとアサガオの色は変わるのか?

 

土のpHを変えれば、そこから水が吸収されてアサガオの色が変わるかもしれない!」

と思った方もいるはずです。

 

しかし、残念ながら前述の通りpH以外の成分によっても発色が左右されるため、

土を変えてもアサガオの色が必ず変わるわけではありません

 

他にアサガオの色を変える方法はあるのか?

 

「土がダメなら、他の方法で色は変えられないのか?」と思った方もいるはず。

残念ながら、これも現実的ではありません。

 

実際、薬品をかけてみたり、酸性雨に浴びせてみたりした実験はありますが、

いずれもアサガオへのダメージは強く、枯れてしまったようです。

(一時的にであれば、色は変わったようです)

 

夕方になるにつれアサガオの色が変わる理由

 

この記事を読んでいる方の中には、

「朝は青かったのに、夕方はピンクになっていた」

という現象を見かけ、調べている方もいるはずです。

 

アサガオは1日の中で液胞内のpHが弱酸性へ変化していきます

そのため、朝はアルカリ性で青かったアサガオも、

夕方になるにつれて酸性へ変化していき、ピンクに変化したのです。

 

また、「アサガオを青色のまま固定できないか?

といった実験も行われていますが、

pHの変化はアサガオ内部で行われる自動的な作用のため、

外部から働きかけて色を固定するのも難しいのが現状です。

 

【自由研究におすすめ】アサガオのアントシアニンを使った色水の実験

 

最後に、アサガオに含まれるアントシアニンを用いた簡単な実験を紹介します。

 

自宅にある物で手軽にpHに関する実験ができるため、

夏休みの自由研究やちょっとした実験にもおすすめです!

 

用意するもの

専門的な薬品を使っても問題ありませんが、基本的には自宅にあるもので代用できます。

  • アサガオ(青・ピンクそれぞれあるとなお良い)
  • 酸性の液体(お酢・レモン汁など)
  • アルカリ性の液体(重曹など)
  • 透明の容器

 

実験方法

  1. 容器に水を入れます。
  2. アサガオを水の中に入れ、よく揉んで色を出します
  3. 青い色水(アルカリ性)に酸性の液体を入れていくと、徐々にピンク色へ変わっていきます
  4. ピンク色の色水(酸性)にアルカリ性の液体を入れていくと、徐々に青色へ変わっていきます
  5. アルカリ性の液体を足す時は、泡(二酸化炭素)が発生します。
  6. 泡が出なくなったら、液体中の酸がなくなった証拠です。

3~6の工程は繰り返し行うことができ、

どの程度入れたらどの程度色が変わるのか」などを観察するのがおすすめです。

 

実験結果

青色の色水(アルカリ性)に酸を入れていくと、

液体が酸性へ傾いていき、ピンク色へ変化していきます。

 

ピンク色の色水(酸性)にアルカリ性の液体を入れていくと、

液体がアルカリ性へ傾いていき、青色へ変化していきます。

この時、酸と反応して二酸化炭素が発生します(泡が出る)。

 

まとめ

今回はアサガオの色について紹介しました。

 

アサガオはアントシアニンという成分によって発色しており、

アントシアニンは酸性だとピンク色アルカリ性だと青色に変化します。

また、Fe(鉄)の配合量によっても発色の色が変わります

 

人間が手を加えてアサガオの色を意図的に変化させることは難しく、

土を変えたり何かを吹きかけても効果はありませんでした

 

1日の中でもアサガオの色は変化することもあり、

朝はアルカリ性で青かったアサガオも、夕方には弱酸性へ傾きピンク色になるケースがあります。

この変化も意図的に止めるのは難しく、同じ色で止め続けるのも基本的にはできません。

 

夏の風物詩として有名なアサガオですが、

意外と奥深い性質を秘めているのですね。

 

ぜひ、アサガオを見かけた時は本記事の内容を思い出してみてくださいね。